山形県米沢市にあるSHプレシジョン株式会社の企業情報

「リードフレーム(Lead Frame)とはなにか」③

~電気自動車・AI・データセンターを支えるリードフレーム~ 

はじめに:リードフレームメーカーの技術力が性能を左右する

リードフレームは、半導体デバイスの中に組み込まれる金属部品であり、見た目はシンプルですが、その性能はリードフレームメーカーの技術力によって大きく変わります。

特に近年、電気自動車(xEV)やAI、データセンターといった分野が急速に成長する中で、リードフレームメーカーの役割はこれまで以上に重要になっています。

電気自動車が求める「強い」リードフレーム

電気自動車には、モーターを制御するインバーターや、電池を管理するBMS、充電装置(OBC)など、多くのパワー半導体が使われています。

これらの装置では、大きな電流と高い電圧を安全に取り扱う必要があり、発熱も避けられません。

そのため、リードフレームには、

 ◇大きな電流を無理なく流せる構造

 ◇発生した熱を効率よく逃がす放熱を意識した形状

 ◇車載用途に耐える高い信頼性

などが求められます。

例えば、金属の厚みや幅、電流が流れる経路の形状を最適化することで、電気抵抗や温度上昇を抑える工夫が行われています。

こうした構造を実現する為の形状や仕様に対し、それを加工する(形にする)のにリードフレームメーカーごとのノウハウが活かされています。

AIとデータセンターが突きつける高い要求

AIの普及により、データセンターではGPUやASICといった高性能半導体が大量に使われるようになりました。

これらの半導体は計算能力が非常に高い一方で、消費電力も大きく、電源回路には厳しい条件が課されます。

データセンターでは、

 ◇限られたスペースでの高密度実装

 ◇24時間365日の連続稼働

 ◇電力ロスを極力減らす高効率化

などが求められます。

このような環境では、MOSFET(電気の流れをオン・オフする半導体部品)やパワーIC(電力をまとめて制御する半導体部品)などの半導体パッケージ内部で、電気と熱をどれだけ効率よく処理できるかが重要になります。

ここでリードフレームメーカーが提供するリードフレームが大きな役割を果たします。

電流の流れを短くし、熱を外へ逃がしやすい構造を採ることで、AIサーバーの安定動作を支えています。

表面処理で性能を引き上げるリードフレームメーカーの技術

リードフレームメーカーが力を入れている分野の一つが表面処理です。

リードフレームの表面には、用途や接合方法に応じて、ニッケルめっきや銀めっきなどが施されます。

表面処理の目的は、見た目を良くすることではありません。

 ◇半導体チップやワイヤとの接合性を高める

 ◇電気の流れを安定させる

 ◇腐食を防ぎ、長期間使えるようにする

といった、性能と信頼性に直結する役割を担っています。

最近では、表面をあえて微細に粗く加工する「表面粗化」によって、

接合材がしっかり密着するよう工夫するリードフレームメーカーも増えています。

このような見えない工夫が、電気自動車やデータセンターでの安定稼働を支えています。

リードフレームは「陰の主役」

半導体メーカーが最終製品を設計する際、その性能を支える部材として欠かせないのがリードフレームです。

リードフレームメーカーは、要求される用途や条件に合わせ、

 ◇精密プレス金型

 ◇順送プレス加工技術

 ◇表面処理技術

などを組み合わせた最適なリードフレームを提供しています。

電気自動車の普及、AIの進化、データセンターの拡大といった社会の変化の裏側で、

リードフレームメーカーは、目立たない場所から技術進化を支える存在として、今後ますます重要になっていくと考えられます。